【20.09.30】PHM卒業生インタビュー「ノーガホテル秋葉原 運営部長 鈴木孝典氏」」

PHMの資料や自分のノートは、自分の戻れる場所になっている



2020年9月1日、東京にまた一つ珠玉のホテルが誕生した。ノーガホテル秋葉原東京。地域の魅力を発信するライフスタイルホテルである。このホテルのナンバーツーである運営部長に就任したのが、第八期「プロフェッショナルホテルマネジャー養成講座」(以下、PHM)の修了生である鈴木孝典さん(37歳)。2019年度のPHMを本気で走り切った鈴木さんは、なぜPHMを受講し、何を受け取ったのか。開業直前に話を伺った。




PHMを受講しようと思ったきっかけは。



前職は、アマン東京でした。役職が何もないところからベルキャプテンに、そしてアシスタントマネジャーに昇進するに従い、マネジメントをしっかり学ぶ必要性を感じました。実はそう感じ始めてから実際に受講するまでには2年以上時間がありました。仕事が忙しくPHMを受講する時間の都合をつけられるかが不安でしたので。ただ、働いている立場で100%万全の態勢で受講できるタイミングなんてありえないと思います。「行動すれば何とかなってしまうもの」というのは、受講を始めて実感しましたね。


ホテルの総支配人になりたいと思っていたのでしょうか。



総支配人になりたいという意識を持ったのは、ノーガホテル上野に転職してからです。それまで働いてきたホテルは、パークハイアット東京やアマン東京といった外資系ホテルでした。総支配人は、たいてい本部から来る外国人ホテリエでしたから、自分がそれをやるというイメージが付きづらかった。ノーガホテル上野は、比較的小規模のライフスタイルホテルです。お客さまとの距離も近い。自分たちが気に入っているレストランを紹介したり、自分たちが好きなハンディクラフト製品を提案したりできる。そんな、自分たちの工夫次第でいろんな方法でお客さまを喜ばせることができるというところに面白みを感じました。本部や経営サイドで決めて、現場はそれに従うだけという組織ではなく、ノーガホテルは、現場の意見をどんどん吸い上げてくれ、やらせてくれ、どんどん形になっていくんですね。そういうホテルで、運営責任者をやってチームを作っていきたいと思うようになったんです。


PHMを受講する際に立てた目標は。



自分がつねに思っていることは、「強い部分はさらに強くし、弱い部分は自覚をしてアベレージまで持っていく」ということです。自分の場合、接客やマネジメントに関しては経験も自負もあります。ここはPHMで知識やスキルを得ることでもっと伸ばそうと思いました。弱いところは数字です。会計や財務は弱いというか知らないことだらけでしたので、しっかり理解しようとしました。PHMを受講した後は、社長や総支配人との経営会議の席でも話の内容が良く理解できましたし、意見も言えるので堂々としていられました。数字に関しては、現場で仕事をするだけでは身につきませんので、PHMでの学びがものすごく役に立っています。ビジネスは、数字でコミュニケーションしますから、マネジメントには数字の理解は必須ですね。





役に立っていることは、ほかにはどんなことがありますか。



「GMの在り方」の講義の中で、「GMには、覚悟が必要」というメッセージがありましたが、私のなかに深く刺さりました。「GMは公器」、「私利私欲で判断しない」「職場環境の整備もGMの役割」、そして二宮尊徳の「道徳無き経済は罪悪であり、 経済無き道徳は寝言である」という名言などなど。「人を育てることはできないが、意識を変えることはできる」というメッセージも実感しているところです。現在はノーガホテル秋葉原の運営部長という立場(ナンバーツー)ですが、意識は現場責任者として、教わったことを実践しているつもりです。

また、マーケティングについても受講前は概念すら理解できていませんでしたが、受講後はマーケティングの重要性を理解できましたし、マーケティング担当者とのコミュニケーションも良くするようになりました。また、GOPやADR、人件費、水光熱費といったホテルの様々なKPI(モノサシ)の基準値を知ったことも、ホテル運営の判断やハンドリングにものすごく役立っています。

PHMの資料や自分のノートは、自分の戻れる場所になっています。なにか判断に迷ったときに、見返しています。

一緒に学んだ8期生が魅力的なホテリエばかりだったことにも、感謝しています。今でもLINEグループで繋がっていて、「コロナ禍でどうしている?」という情報交換や励まし合いは、つねにみんなでしています。




最後に、PHM受講を検討している人にメッセージを。



8カ月間、ものすごく充実感がありました。学んだことが、すぐに現場で生かせるので手応えを感じます。「勉強って、こんな風に役に立つのか」っていう驚きは、生まれて初めて感じました。ただし、正直、ハードです。それに、働いている人はだれしも時間がないと思うでしょう。ですが、受講してみると意外と時間は作れるものです。迷っているのなら、踏み出さすべきです。現場で一生懸命働いているだけでは出会えない世界が、その先には待っていますので。


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