【17.12.05】連載「お金をかけずに今すぐできるWEB集客」vol.4

【前編】≪第4回 予備知識E「消費者の検索傾向」≫


宿屋大学メールマガジン読者の皆々様へ

こんにちは。(株)宿援隊 隊長の石井 太樹です。4回目をアップさせていただきます。
これまで【前編】として、予備知識@「企業の目的」、予備知識A「収益UPのために」、予備知識B「室料UPのために」、予備知識C「メタサーチ」、予備知識D「Real-Agtへのアロットメントにメス!そして奪還!!」というタイトルで進めてきましたが、今回は【前編】 = 予備知識の最後E「消費者の検索傾向」について述べます。

皆さんは、「初めて行く都市・温泉地・リゾート地」で、「インターネットでホテル・旅館を予約する」場合、どういう行動を取りますか?(ホテル・旅館を単独で取る場合です。航空機等とパッケージになったツアーは除きます)

おおむね、次の2つのいずれかではないでしょうか?

@「Google」や「Yahoo!」で、『東京 ホテル』、『箱根 旅館』などとキーワード検索(地域名+ホテル・旅館)
Aお気に入りのOTA(じゃらんネットや楽天トラベル)で検索

問題は、どちらが多数派かということです。
私のこれまでの調査経験からすると、 圧倒的に、@ < A です。
ユニーク数で言うと、3対7〜4対6の割合です。
「3対7〜4対6では、“圧倒的”ではないのでは?」との声が聞こえてきそうですが、やはり“圧倒的”なのです。
上記『@』のタイプの人を調べてみると、旅慣れていない人 = 利用頻度の低い人 が多いのです。「年に一度の家族旅行」、「学生時代の友人が結婚式を挙げるので(たまたま)その地域に行く」というのが典型例です。
一方、『A』のタイプの人は、「趣味=旅行」、「月1で温泉」、「週末はシティホテルで過ごす」など、旅慣れている人に加え、私のような、いわゆる“出張族”がそれに該当します。(私はホテル・旅館に130泊/年 します。)
すなわち、ユニーク数が3対7〜4対6であっても、『@』タイプの人と『A』タイプの人では、利用頻度が違うので、実数(延べ数)にすると1対9〜2対8になるという具合です。これならば“圧倒的”と言えますよね?



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=========================================★なぜ出張族が『A』 = OTAで検索・予約するか???★
それは大手OTAの認知度UPに加え、近年の出張旅費規程の変遷が大きく影響しています。すなわち、過去に多く見られた、どこに泊ろうと、決められた一定金額が支給される『定額精算』 (実費との差額はお小遣い⇒非課税、社会保険代も引かれない上、奥さんにもバレない)から、領収書記載の実費のみが支給される『実費精算』(必ず上限あり)が主流になっているからです。
これにより、ネット上だけでなく、リアルな店舗でも使える = 限りなく現金に近い、OTAのポイント制度がサラリーマンの細やかな楽しみになっているからです。紙面が許せば後述する【中長期収益編】で触れたいと思います。
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次にこの表をご覧ください。




これは、ある大手OTAにおける、とあるエリア(中エリア)における掲載順位によるクリック率です。(出所は控えさせていただきます)

1位表示だと15%もクリックされます。2位の10%も立派な数字ですが、1位に比べると落差が激しいですよね?
3位で7%、4〜5位で約5%、6〜8位が2%台、9〜14位が1%台です。
ご存知のように、じゃらんネットも楽天トラベルも1ページに30施設の掲載ですから、1ページ目の半分に位置して、ようやく1%クリックされる という具合です。

注)これは日付や人数を指定しないで、エリアを選んだ形での検索方法での数字です。日付や人数を指定した場合、当然ながら、上位から売れていきますので、高需要日については、結果として3位が1位に繰り上がったりすることはあります。

すなわち、上位に表示されるほどクリック率が高い⇒この数字が分母(入口)になるので、当然ながら、コンバージョン率、予約成約数が高くなるわけです。
したがって、まずは“予選リーグ”突破! = OTAでの上位表示をGetすることが肝要なのです。
※“決勝リーグ”は、もちろん、自社ホームページでの予約獲得です。

ちなみに、上記『@』タイプの人(「地域名+ホテル・旅館」で検索)に対する戦術が、いわゆるSEO(Search Engine Optimization)対策 = 検索結果上位表示対策ですが、『A』のタイプの人(大手OTAで検索)の方が圧倒的に多い状況では、SEO対策よりも大手OTAでの上位表示対策の方が遥かに有効ということです。(あくまで、大手チェーンでも著名ホテル・旅館でもない、地場独立系ホテル・旅館を対象にした話です)『消費者の検索傾向に合せた対策』を優先させる必要があります。




もう1つ、興味深い数字を紹介します。
それは『70%』です。
この数字はどういう数字かというと、OTAで検索した結果、興味を抱いたホテル・旅館の公式サイト= 自社ホームページ を閲覧する割合です。(初めてその地域に行く場合)いったいなぜ、消費者はわざわざそんな面倒くさい行動を取るのでしょうか?
それは、宿泊という商品が「形のない(見えない)」商品であり、且つ「非日用」商品だからです。

例えば、大好きな彼女とお付合いして初めての温泉お泊り旅行・・・男なら徹底的に調べますよね?
奥さん、長女、次女の女系4人家族の年に1度の家族旅行・・・ただでさえ家庭で虐げられているお父さん・・・ここで失敗したら口きいてもらえなくなるかも??? そうならないために一生懸命調べますよね?
初めての土地への女性の一人旅あるいは業務出張・・・立地・環境・セキュリティなど調べますよね?

そう、ホテル・旅館は一晩身体を預ける非日用商品・・・失敗したくない・・・だからより詳細な情報、あるいはタイムリーな情報を取りに公式サイトへ来てるんです。
これが日用商品の場合、例えば居酒屋を探している場合などは、食べログやぐるなびで検索して、いいお店が出てきたら、(そのお店のホームページは見ずに)そのまま予約 となります。高価でない日用雑貨をECサイトで探して購入する場合なども、その商品メーカーの公式サイトを見ることはないのではないでしょうか?
繰返しますが、ホテル・旅館は、多くの人にとって非日用・非日常商品なんです。だから(特に初めての場合)調べるんです。

以上から、大手チェーンでもなく、知名度・ブランド力に劣る、地場独立系ホテル・旅館が執りうる現実的な戦略は、

@まずは、OTAで魅せる! → 予約獲得!! → 上位表示!!!
Aその上で、自社ホームページで魅せる! → 予約獲得!!

となるわけです。




なお、前回のメルマガで触れた『メタサーチ』ですが、テレビコマーシャルを打つなど、「第3の検索方法」として、認知度UPを図っていますが、こと国内需要については、現段階で、業界及び業界関係者での認知度はあるものの、一般認知は大手OTAに比べるとまだまだだと思われます。それだけ我が国においては、じゃらんネットや楽天トラベルが認知度を先に取ったということです。(ガラパゴス的進化かもしれません。)但し、そう遠くない将来、必ず一般認知がなされると予想されるので、対策が必要です。(ここでは触れられませんが・・・)


次回からは、これまでの【前編】 = 予備知識を踏まえ、いよいよ【短期収益編】に入ります。
まずは、《OTAで魅せる → 獲得 → 上位表示!》 @「上位表示の重要性と仕組み」 について触れ、
次に、A「OTAでの露出実例検証」をしたいと思います。


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“WEB集客とレベニューコントロールのプロ集団”
 株式会社 宿援隊 代表取締役社長
 株式会社 宿力 取締役東京支社長 
 石井 太樹
 http://yado-riki.com/
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